英語学習書

イギリス生活よもやま話【エッセイ】

プロフィール

profile-01.jpg

Teeka(フリート妙子)。イギリス人と結婚して、イギリス南東部に住んで、15年が過ぎました(はっや〜い!)。
夫とのなれそめは、よくある話なんですが、彼がわたしの英語の先生だったことです。
静かな海辺の田舎町で、教師を退職した父ちゃん(夫)と、ふたりで暮らしています。

運営サイト

ブログもアップしています。
イギリス生活よもやま話【ブログ】

1日1回のいいこと。クイズに答えてクリック募金しませんか? あなたには、一切お金はかかりません。

Sponsored Link

英語学習書

【イギリスの英語学習書】

英会話のメールマガジンを始めて、五ヶ月になる(2005年3月現在)。このメルマガは、イギリスの英語学校のカリキュラムや教科書に基いて、レッスンを行っている。

先日、ふと、わたしがマーゲイトのカレッジに通っていたころに使った古い教科書がまだあったはず、と思い立って、屋根裏の物置に上がってみた。

ホコリをかぶったダンボール箱を開けると、やあ、出てきた、出てきた。グレーの表紙、「Streamline」の文字。うわあ、なつかしい! 

指折り数えると、かれこれ十八年前のものだ。ページをめくると、ところどころエンピツで、単語の意味が書き込んである。

ああ、あのころ、こんな単語さえに知らずに、よくもイギリスに来たもんだ。知らないということは、まあ、なんと勇気のあることでしょ。

教科書の内容は、エリザベス女王のゴシップだの、訪問販売のセールスマンの売込み口上だの、都市伝説の怪談話、サメの襲撃から生還した若者のインタビューだのと、今読んでも、これが、なかなか面白いのだ。

そうそう、サメの話は、授業でテープも聞いたっけ。サーフィンをしていてサメに襲われた若者が、経験を語るのだが、そのテープでは、冒頭から不気味なサウンドが、ズンズン、ズンズンと迫ってきて、ちゃーんと「ジョーズ」のパロディになっていた。

こういう憎い演出を、イギリスの教科書を制作する人たちが、やってくれるんだよなあ。さすがユーモアのお国。クスッと笑えるギャグが、あちこちに散りばめてある。ちなみに、これ、オックスフォード大学出版局の教科書である。

イギリスには、ケンブリッジ試験という英語検定試験がある。日本では知られていないが、ヨーロッパでは広く通用する権威ある英語検定試験で、当時のわたしたちのクラスは、その試験準備をしていた。

ケンブリッジ試験には、ヒヤリングのテストもあるので、先生が教室にラジカセを持ち込んで、練習用のテープを聞かせてくれた。(当時はまだCDなんか、なかったのであります)

これが、いやあ、とんでもなく面白かった。男と女のセリフだけで構成されたドラマだったが、あまりにも印象的だったので、今でも声優の声、セリフのイントネーションを、はっきりと覚えている。

「ハリウッドは、ビバリーヒルズの高級レストラン。男と女が、一枚の写真をながめている」というナレーションで、ドラマは始まった。

(アメリカ訛りのハスキーな女の声が、けだるそうにいう)
「ねえ……この女がだれか、わかるわね?」
「ああ、もちろん。で、この男は?」
「カール・アーラムよ。聞いたことあって?」
「いや、ないね」

写真の女は、マリリン・モンロー。男は、モンローのお気に入りだったカメラマンのカール・アーラム。

モンローは1962年に謎の死を遂げたが、その直前に、彼女はアーラムに宛てて手紙を書いた。そして、そこには驚愕する秘密が暴露されていた。

ハスキー女は、その手紙を入手した。そして、男がモンローについての本を執筆中だという情報も得た。女は、その手紙を10万ドルで売りつけようと、男に接近した。

「ねえ……この女がだれか、わかるわね?」
と、ワルな女がけだるく言う。目を細めて、長い爪の指ではさんだ煙草の煙を、ふうーっと吐き出しながら。

そんな情景が目に浮かぶほど、このシナリオはよくできている。テープの声優たちは、なかなか達者な役者がそろっていて、女のしたたかさ、そして男の困惑を見事に表現していた。

いかがです? 
これがケンブリッジ試験の、受験勉強用テキストの内容である。

ケンブリッジ試験は、ヨーロッパでは広く通用する権威ある英語検定試験で、このテープは、ヒヤリングの練習に使われていた。こういう教材があると、英語の勉強も楽しいのになあ。


line-450x16.gif

イギリスにとって国語、つまり英語は、国の一大産業だ。ヨーロッパ中はもとより、アジア、南米、アイスランドあたりからも、英語を学びにやって来る。

そういった人々を受け入れるために、定期的に監査を受けて国から認定されている英語学校、そして、認定を受けていない、なにやら怪しげな学校を含めると、全国の英語学校は、まあ、星の数ほどにもなろうか。

そして、英語教師もピンからキリまで。監査はかなり厳しいので、認定校では、ちゃんと資格のあるまともな教師が教えているが、それ以外の学校では、母ちゃん先生が子連れで教壇に立つ、なんてひどいところもあるそうだ。

わたしが通ったカレッジに、学校のミニバスの運転手をしていた、アンディという兄ちゃんがいた。彼は、外国人生徒を引率して遠足に行ったりしているうちに、ワシだって英語ぐらい教えられるもんね、と妙な自信が出てきた。

そこである日、校長に「ワシも先生にしてくれ」と申し出た。すると校長は、当然のことながら、「あんたはクォリフィケイション(資格)がないから、ダーメ、メッ」と断った。

すると、この兄ちゃん、どうしたと思います?
一念発起して、夜学の教師養成コースに申し込み、ひたすら努力を重ねて、とうとう資格を取っちゃった!

なーんてこと、するわきゃない。彼は、さっさと運転手をやめて、「飛んでイスタンブール」しちゃったのである。

それ以前に、トルコから来た生徒と親しかったらしく、その子を頼ってトルコへ行き、以来、イスタンブールで、あのサネット弁(イギリス南東部の訛り)丸出しの英語を、教えているそうな。

ずっるーい。
英語国民て、ホントに得だよなあ。

世界中どこへ行っても、英語を教えれば食っていけるんだもの。日本にいる、「ネイティブ」と称する英語学校の教師にも、この手合いは多い。

それにしても、さすがに英語の本場であります。外国人のための英語教材の、まあ、豊富なこと。都会の大型書店に行くと、ワンフロア全部が、英語学習書の売場になっていて、イギリスの英語学校で使う教科書は、ここで入手できる。

どうも、「教科書」という日本語を使うとイメージが狂ってしまうのだが、日本のものと違って、イギリスのそれはじつに面白い。

イラスト、写真、マンガがふんだんに使われていて、いかにして楽しく、退屈させずに学ばせるか、ということが苦慮されている。

いや、ホント、すごいです。これはぜひ、日本でも見習ってほしいと思うのだが、どうも日本の教科書はねえ、眠たくなってしまうんだわ。といっても、最近の日本の教科書は見てないんだけど、進歩したのかな?


 次のエッセイへ
 トップページへ
Sponsored Link

検索

カスタム検索

サブコンテンツ

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。