遠来の友 (2)

イギリス生活よもやま話【エッセイ】

プロフィール

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Teeka(フリート妙子)。イギリス人と結婚して、イギリス南東部に住んで、15年が過ぎました(はっや〜い!)。
夫とのなれそめは、よくある話なんですが、彼がわたしの英語の先生だったことです。
静かな海辺の田舎町で、教師を退職した父ちゃん(夫)と、ふたりで暮らしています。

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遠来の友 (2)

【招かれざる客 Part 2】

いやあ、前回のエッセイ「招かれざる客 Part 1」は、このメルマガ始まって以来の反響を呼びました。思いがけない結果に、わたしゃ、目をパチクリさせております。

寄せられたメールで多かったのは、海外在住者の似たような体験談。逆に、日本で無礼な外国人を受け入れた方の体験談。そして憤慨、同情の声、などなど。

おもしろいのは、「うちに泊まってほしい人はホテルを取り、ホテルを取ってほしい人は、泊まりに来る」という、海外在住者が遭遇するパラドックスである。

台湾に住む、たくみさんはわたしのネット友達だが、彼女も「うわー、会いたい!懐かしい!」という人は、すでに自分でホテルを予約してたりするという。それも、彼女の家の近くに部屋を取って、ちゃーんとこっちの都合も、考えてくれる。

そして、会うことがメインの目的だから、話がいっぱいできれば、近くの公園でも喜んでくれる。

反対に「え? あ、ああ……な、懐かしいですねえ……」という人は、たいてい、押しかけて来る。彼女んちに泊まって、観光案内させられまくって。もちろん、皆が皆そうではないけれど、ま、そういう事が多いという話。

「泊まってもらうのは決して迷惑じゃないけど、気遣いは欲しいですわな。そういや、そんな《え?ああ?》系の友達がきたとき、知られた料理店の小籠包をご馳走したら、これはお返し、と夜市の夜食をご馳走になったのです。

そ、それって、アンタ。リッツのディナーに招待したのに、お返しは駅横のフィッシュ&チップスかい?!(って、こりゃ大げさか 笑) お返しされないほうが、まだましだったりして」

と、たくみさんは笑わせてくれるのだが、そうそう、思い出した。あの三十三歳の女医さんが、スイスからうちに来たとき、お土産をいただいたのである。それは、一辺が、五、六センチの、正方形の薄っぺらな小箱がひとつ。

おっ、持ってきたのか、土産を。
へええ、あんたにしては上出来じゃん。

土産なんぞ、最初から期待していなかっただけに、なんだろうと、一瞬盛り上がった期待感。それにしても、えれぇちっこい箱だなあ。

中には、キャラメル大のチョコが、四個入っていた。
ぶーっ。吹きそうになった。このとき、プンスカ怒っていたはずなのに、わたしは思わず、笑顔になったのである。いやあ、外科医の○子さん、あなたってホントにユニークなお方。

いや、いいよ、別に。でもね、これって、クリスマスに売り出されるサンタさんの長靴に入っている、チョコだのアメだのガムだの、そういうお菓子みたいなの。そのうちのひとつを持ってきて、「お土産ですっ」と、迷いなく差し出すセンス。

それがギャグっぽくておかしかったのだが、外科医○子は、この土産でわたしの機嫌が直ったと、ぜーったいにそう思ったにちがいないのだ。わたしは、チョコ四粒で喜ぶチョロイ奴だと、思われたのだ。

あーん、違うってばぁ。
いっそ土産なんか、持ってこなけりゃいいのに。


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無礼なのは日本人だけかというと、むろん、そんなことはない。以前に成田の近くに住んでいたNさんは、ご主人がインド人である。

なにしろ、成田という場所が場所だけに、会ったこともないインド人から、「今空港にいるんだが、泊めてくれ」という電話が、よくかかってきたそうだ。

当時は2DKのアパートで、人を泊める場所もなかったので、それを口実に断っていたが、電話をかけてくるインド人てのがたいてい、知り合いの知り合いの、そのまた知り合いの知り合いだったりして。

インド人は特に、同胞意識が強いのだろうかと、Nさんは首をかしげる。日本でも国際結婚が増えてきた咋今、国際カップルの家さがしは、くれぐれも方向を考えて。成田方面、関空方面は、鬼門中の鬼門ですぞ。

また、アメリカ人の友人を泊めて、できる限りの歓待をしたのに、お礼の言葉もなかったという体験も、寄せられた。

自分は友人だと思っていたけど、本当に友人なのだろうか、できる限りの歓待をしたのに、それが通じなかったのだろうかと、苦い思いが、心の中で傷となって残っている。

奈良に住むわたしの知人が、アメリカの女子高校生を、ホームステイとして受け入れたことがある。

日本人はこういう場合、あちこち観光に連れて行ったり、至れりつくせり、本当にできる限りのことはしてあげる。(イギリスのホストファミリーは、ほとんどこういうことはしないけど)

ところが、これまた礼状一本来なかった。その娘の親は両親とも医者で、きちんとした家庭の娘だろうに、どんな教育してるんだ、もうホームステイなんか、ぜーったいやるもんかと、息巻いていた。

そうしてみると、国も人種も関係ない。ただ、そういう人とそうでない人の二種類いる、ということなのだろう。


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あの外科医○子の無作法には、たくさんの読者の方に驚愕、憤慨、同情していただいたが、じつは彼女が滞在した五日間、わたしはふくれっ面で過ごしていたかというと、いやいや、そんなことはないのだ。

怒りを持続するには、案外とエネルギーがいるものだと思う。そんなエネルギーも根性もないわたしは、もう、ぷりぷりするのが面倒になるのだ。いや、なにも、いい人ぶって、こういうことをいうのではない。

ひたすら面倒くさいだけ。だからすぐに、「ま、いっか」で終わってしまう。要は、持続力の問題なのだ。(バイアグラでも飲めば、持続するかしらん)。

これは、夫婦喧嘩でもおなじである。コンチクショウと思っても、たいていすぐに平静に戻って、「あんた、お茶飲むぅ〜?」なんてやってしまう。

怨念を持ち続けるのは、シンドイのだよ。夫も、これまた、持続しないタイプである(コイツのは、バイアグラでも無理だ)。

というわけで、あの五日間、じつをいうと、わたしは案外と楽しんだのだ。彼女は、これまでにわが家に滞在したお客のなかで、最高に無礼な奴だったが、また、最高に素晴らしい客でもあったのだ。

そこのところを、次回にたっぷりとお話したいと思うので、ぜひ聞いてくださいませ〜。
                  
No.84 2004/11/27

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