ブラ一丁

イギリス生活よもやま話【エッセイ】

プロフィール

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Teeka(フリート妙子)。イギリス人と結婚して、イギリス南東部に住んで、15年が過ぎました(はっや〜い!)。
夫とのなれそめは、よくある話なんですが、彼がわたしの英語の先生だったことです。
静かな海辺の田舎町で、教師を退職した父ちゃん(夫)と、ふたりで暮らしています。

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ブラ一丁

【国民総露出狂 Part 2】
  
ぐわーん、ぐわーん、ぐわーん。
芝刈機のうるさい音が、響いてくる。春から夏のあいだじゅう、庭の芝生がよく伸びるので、週に一度くらいの割合で、定期的に芝を刈らなくてはならない。だから、近所のあちこちから、この騒音が聞こえてくる。
  
閑静な住宅街を通って、海に抜けるいつもの散歩コースを歩いていたら、例によって、芝刈機の音が聞こえてきた。なにげなく、音のする方に目をやると、あらららーーっ!
  
ちょ、ちょっとォ、おばさん、そりゃないよォ〜。
いくら暑いからって、上半身ブラ一丁で芝刈りなんてェ。

しかも、おばさんは、肥満した西洋女の典型である、洋梨型の体型である。そういう女性は、オッパイがでかい。しかも、そのオッパイが垂れている。でかいから重い。重いから垂れる。
  
いくらワイヤー入りのブラで持ち上げたってネ、重力の法則にゃ勝てやしないのだ、ざまあみろ(と、ペチャパイのわたしは、溜飲を下げる)。あーあ、垂れ乳が、出っぱった腹の上に乗ってるよぅ。やだねえ、ああはなりたくないねえ(と、思わず自分の腹をひっこめる)。
  
それにしても、だ。
ここは前庭ですよ、前庭。そういうことは、通りに面した前庭じゃなくて、人通りのない裏庭で、やっていただきたい。

垣根の上に、オレンジ色のTシャツのようなものが乗っているのを見ると、おそらく、おばさんは、芝刈りをしていて暑くなったので、エイヤッとTシャツを脱いで、ブラ一丁になったのだ。
  
もちろん、下はスカートなので、その体型から想像できる巨大な太ももは見えない。やれやれ。あれでブラ一丁、パンツ一丁だったら、あたしゃ許しませんからねッ。

前回、「国民総露出狂」で、イギリス男性の脱ぎっぷりをご紹介したけれど、やはり「国民総」とつけば、女性の方もご報告しないことには、片手落ちだろう。いやはや、イギリス女性も、なかなかの露出狂ぶりを
発揮してくださいます。

 
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先日、夏休みで、二週間ほどホームステイしていた高校生の女の子に会ったので、イギリスの印象を聞いてみた。すると、多くのイギリス人女性がブラジャーの肩ヒモ丸出しで、平気でいることに驚いたという。つまり、日本人である彼女には、あれをみっともないと思う感覚がある。
  
彼女のいう「肩ヒモ丸出し」は、あらら、ノースリーブの服からヒモがのぞいちゃったわ、ごめーん、などという生やさしいもんじゃない。普通のブラの上に、肩のところがヒモになっているキャミソール型のタンクトップを着るもんだから、肩ヒモが文字どうり丸出しなのだ。
  
たとえば、黒のブラにピンクのタンクトップ、という組み合わせ。肩には、ピンクと黒のヒモが二本づつ、合計四本がまるっきり見えている。だからこれはもう、明らかに「見える」のではなくて、「見せている」。

そして、こういう着方が、ファッションとして、最近けっこう流行っているのだ。ひどいのになると、ブラの上に、肩ヒモのないタンクトップを着ていて、唖然とする。
  
どうしてこんなものが、流行ってきたのか。
これはわたしの勝手な解釈だが、彼女らは、暑いから、あるいは太陽を浴びたいから、肌を露出したい。だからタンクトップを着る。だが、ノーブラの勇気はない。

だからといって、わざわざス、トラップレスのブラを買うのも面倒
だ。それに、西洋女の巨乳が垂れないよう、しっかり支えてくれるのは、なんといっても、肩ヒモのあるブラである。
  
そこで、ええーい、しょうがない、Who cares?(誰が気にするっていうの?)と居直った。「みっともない」と感じるセンスよりは、「気にしない」センスの方が、勝ったのである。
  
だから実用本位で、普通のブラをつけて、その上からタンクトップを着た。それを見て、あ、じゃあわたしも。そうやって人の真似をして、流行ってきたのではないだろうか。

そして、そのみっともなさを見かねて、透明なヒモのブラが開発されたのではないか。それが売り出されたのは、最近のことだから。
  
そしてもうひとつ、日本の女子高校生の驚きは、ヘソ出しルックが多いこと。ヘソを出す女の子は、たいていヘソにピアスをしているので、それを見せたいという顕示欲が、作用しているのかもしれない。
  
ところで最近、わたしはよく、ヘソ出しルックの妊婦を見かけるんだよねえ。イギリスには、腹帯というものがないので、腹丸出しである。しかも、臨月まじかの突き出た巨腹に、ヘソのピアスなんかして。これも、日本じゃ考えられないけれど、いいのよ、Who cares? だから。
  
  
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「きのう、わたし、家に帰ってびっくりしたんです」
と、ホームステイしている二十代の日本女性がいうので、どうしたのかと思ったら、学校から帰ると、ホストマザーが、ビキニの水着で掃除機をかけていたので、仰天したというのだ。
  
気でも狂ったんじゃないの? そのホストマザーはちょっとオカシイんじゃないかと、気になって、わたしに聞いてきたのだ。

「あ、それって普通です、普通。こっちの女の人って、気候がよくなってくると、なぜか水着を着て家事をする人、いるんだよね。その格好でガーデニングとかもするし。平気、平気、ぜんぜん気にしない」

そういってわたしは、そのホストマザーがイギリス人としてノーマルで
あり、精神が錯乱しているわけではないことを説明したが、彼女は納得しかねるように、首をかしげていた。
  
そうそう、それで思い出した。
もう昔のことだけれど、わたしも英語学校に通っていたとき、似たような経験をしたのだ。
  
わたしは、アランという三十代の独身男の家に下宿していたのだが、学校から帰ると、見知らぬ女性(歳は三十前後?)が家のなかをうろうろ
していて、仰天した。
  
他人が家のなかをうろうろするのは、ま、お客だろうから、仰天するほどのことじゃないが、彼女は上半身ブラ一丁だったのだ。下はショートパンツだったと思う。アランはショートパンツ一丁で裏庭にいた。デッキチェアを出して、ふたりで日光浴をしていたらしい。
  
このブライチ女が、トイレにでも行ったのだろう。その帰りに、階段のところで、帰宅したわたしにバッタリ出くわした。彼女は、アランのガールフレンドではない。わたしが知っているガールフレンドは、アーニャという、ポパイに出てくるオリーブのようなひょろ長い女性である。
  
あれは何なんだ、いったい。 
男の前でブライチになるってことは、そういう関係? 
いや、どうかなあ。ただの友達っぽいけど。 
いやいやいや、ただの男友達の前で、ブライチになるか? 
  
うーん、なるかもね、イギリス人なら。羞恥心ないし、露出狂だし……。いや、案外と、あれでアランを挑発しているのかもしれん。
アーニャは、このことを知っているのだろうか。当時のわたしはもんもんと、そんなよけいなことを、考えたものである。
  
こういったイギリス人の露出癖、どうなんだろう。
つれづれ考えるに、どうも「わたしの裸、見て見て!」という本来の意味での露出狂とは、違うんじゃないか。それよりはむしろ、「他人の目なんか屁ともない」という、Who cares精神だと、わたしには思えるのだが。


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