ハリウッド芸能界

イギリス生活よもやま話【エッセイ】

プロフィール

profile-01.jpg

Teeka(フリート妙子)。イギリス人と結婚して、イギリス南東部に住んで、15年が過ぎました(はっや〜い!)。
夫とのなれそめは、よくある話なんですが、彼がわたしの英語の先生だったことです。
静かな海辺の田舎町で、教師を退職した父ちゃん(夫)と、ふたりで暮らしています。

運営サイト

ブログもアップしています。
イギリス生活よもやま話【ブログ】

1日1回のいいこと。クイズに答えてクリック募金しませんか? あなたには、一切お金はかかりません。

Sponsored Link

ハリウッド芸能界

【そういう仕組みになっている】    

はっはーん、そういうことだったのか。なるほど、なるほど。
朝食のグレープフルーツを食べながら、英紙「タイムズ」の記事を読んで、大いに納得した。頭の片隅に残っていた、もやもやとした小さな空洞に、ジグソーパズルの一片が、ピチッと収まったのだ。
  
以前、ここで、わたしは、マイケル・ジャクソンについて書いた。そのなかで、マイケルに性的虐待を受けた少年の親が、訴訟を起こしたくだりがあった。マイケルは、莫大な示談金(およそ三億四千万円)を払ってチャラにしてもらい、いっさいお咎めなし。
  
ずっるーいと思いながらも、その金額がハンパじゃないので、ちょっと引かかった。マイケルだからこんな金額になるにしても、いきなり最初からこんな高額だったのだろうか……?
  
被害者の少年の親は、ロサンゼルスの歯科医である。気骨のある人で、「金の問題じゃないんだ」と、マイケル側の示談話を蹴り、あくまでも裁判に持ち込もうとしたんじゃないか。そこで仕方なく額を引き上げた。

あるいは反対に、歯科医が金を取ろうとしてゴネてみせたか。いずれにせよ、この裏にはいろいろとありそうだな、という思いが残った。
  
そのもやもやを、一挙に晴らせてくれたのが、タイムズに載ったその記事。トニー・ペリカーノなるイタリア系アメリカ人が、爆発物の不法所持で逮捕されたという、そこだけ読めば、マイケルとはまったく関係のなさそうな、三面記事である。
  
さて、このペリカーノ、シシリアからの移民の三世で、かの有名なシカゴのギャング、アル・カポネのかつてのシマで育ったというから、これはもう由緒正しきマフィア、血統書つきの極道である。
  
彼は、通信販売の会社で、借金の取立人として働いたあと、24歳で私立探偵の看板を上げる。ところが、6年後に倒産。それから3年たった1977年、奇妙な事件が起きた。
  
シカゴの墓地に埋葬された、ある遺体が、紛失したのだ。それは、エリザベス・テーラーの夫であったマイク・トッドの遺体で、警察は、連日の捜索にもかかわらず、発見できなかった。

ところが、墓からわずか70メートルの地点で、ポリ袋に包まれた遺体を、ペリカーノが発見した。これは、ペリカーノ自身が仕掛けた、芝居だったのではないか……。同業者の私立探偵らは、そう見ている。
  
これによって、エリザベス・テーラーの恩顧を手にしたペリカーノは、シカゴを出て、ハリウッドに進出する。テーラーは、「とっても頼りになる探偵さん」のペリカーノを、友人のスターたちに紹介する。
  
サンセット大通りに事務所を構え、最初は失踪人の捜索などをやっていたが、やがてハリウッドの有名人のあいだで、密かに評判になる。人気稼業のスターたちにとってかんばしくないゴシップ、しかも信憑性のあるゴシップさえも、きっちりもみ消してくれる仕事人として、重宝されるようになったのだ。
  
彼の顧客名簿には、シルベスター・スタローン、ファラ・フォーセット、ケビン・コスナー、ドン・シンプソン(映画「トップ・ガン」のプロデューサー)などのビッグネームが並ぶようになる。もちろん、エリザベス・テーラーとは大の仲良しの、マイケル・ジャクソンもそのひとり。
  
写真で見るペリカーノは、少々後退した額、銀髪をオールバックになでつけて、血色よく、恰幅もよさそうな中年男。どの写真も、黒いサングラスをかけているので、人相はよくわからない。しかしまあ、黒メガネをかけりゃ、誰だってヤクザに見えるってもんで。
  
  
line-450x16.gif
 
  
マイケルの示談交渉に、ヤクザがからんでいたとなれば、あとはもう、テレビドラマを見るがごとく、場面が浮かんでくる。
  
最初は紳士的に接すると、ペリカーノ自身が語っているように、マイケル側から穏やかに、示談話を持っていく。それを告発人が、はねつける。示談金を値上げする。はねつける。いやがらせをして、歯科医としての信用を傷つける。営業妨害。
  
さらに、示談に応じなければどうなるかと、ナイフなんぞを取り出して、凄んで見せる。と、やったかどうかは知らないが、ペリカーノは、相当なナイフの使い手であることが自慢で、それをあちこちで吹聴している。人間、得意なものは、見せびらかしたいもんである。だから、やったんだろうなあ、きっと。
  
「マイケルは、三億四千万出す言うとんのや。それで手ぇ打ったれや」
身の危険を察し、ヤクザの暴力に屈した歯科医は、やむなく訴訟を取り下げる。マイケルは安泰。ペリカーノは報酬たっぷり。と、そういうシナリオが、最初から仕組まれていたということだ。
    
美空ひばりと暴力団山口組のように、芸能人と極道の関係はよく知られているが、どうやら洋の東西を問わず、世の中ってのは、そういう仕組みになっているらしい。
 
 
 次のエッセイへ
 トップページへ
Sponsored Link
<<野鳥|セミヌード >>

検索

カスタム検索

サブコンテンツ

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。